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東京銀行がなくなってワリト-の発行もなくなったし、長銀債も日銀債も発行されなくなってくる。
中長期で見れば、税収不足の深刻さから政府は税の対象として、割引債などでロンダリングされた資金四〇〇兆円、それに郵便貯金の償還金八一兆円を押さえようとするのは濃厚である。
これらは合わせて四八一兆円もある。
この一割だけでも押さえることができれば、税収として大きな獲得である。
相続免除債という国債が発行されたり、無記名債の債券が発行されないとは言えない。
相続免除債を発行すれば、アメリカには資金は流れなくなる。
投資商品の主役交代は税制変更によっていとも簡単に実現される。
これらの債券が廃止されると、無記名の投資商品は金しかない。
ロンダリングされている四〇〇兆円が非課税の道を選ぶとすれば、金の現物しかないことは金丸信(元自民党副総裁。
所得税法違反脱税で逮捕された)のケ-スを見ても簡単に想像がつく。
金の世界三大トレーダーである商社の担当者は、「日本で割引債発行停止が決まれば、金価格はドルベ1スに関係なく動き始める」と言っている。
だから必ず金に向かうと思う。
四〇〇兆円のうち一割の四〇兆円が金に向かっただけでも、金価格は天文学的に上昇するはずだ。
仮に一パーセントの四兆円が金に向かうだけでも一グラム一万円の金価格は十分考えられる数字である。
IT株やインターネット株など、革命だなんだと言ったところで株価の実投資商品の主役交代態に裏付けがない。
それに比べれば、金はやっぱり金である。
三十年前にある資産家が金を金(ゴールド)に買えて自宅の庭に埋めていた。
その後、子孫が土地を整理して改築しようと掘っていると、昔埋めた金がそのまま出てきた。
その量が一トンである。
ざっと一〇億円だ。
三一十年前に埋められた金でも金に変わりない。
投資はたんに儲かるからという観点だけではなく、元本が保全されている、信頼がある、万円は一万円で取引されるから価値があるのだ。
もし、そうでなければただの紙切れになってしまうだけである。
金は世界のどこに行っても金である。
「一ドル一ドル」で使える限り、ペーパーマネ-は生きているし価値がある。
ロシアのルーブルは時間が経てば経つほど、価値が激減していった。
こうなると、「ルーブル」というのは共同幻想に過ぎないことを、ロシア人は実生活のなかで痛いほど実感したはずである。
いまのロシア人はルーブルというペーパーマネーを持っていても、なんの役にも立たないことを学習している。
インド人は年間七〇〇トンの金を買っている。
核兵器開発をスタートしてからというもの、金購入トレンドは顕著である。
ある意味でいつ戦争になるかわからない。
政治不安や通貨不安、インドルピア暴落もあり得ることを知っているから、いちばん手堅い金にリスクヘッジしているわけだ。
これはペーパーマネーからの逃避の前兆である。
一万円は一万円で通用しているから、日本人はペーパーマネーを信じている。
しかしゼロ金利になったとき、ペーパーマネーはそのままでは何の価値も生まないことに気一万円札を次々に株と交換したのではないか。
そして株式市場は活況をしていたからこそ、た。
もし株が暴落して金利どころか、一万円の元本をはるかに割ることに気づけば、今度は金の実物と一万円札とを交換することになる。
いまなら、一万円で一〇グラム交換できるかもしれないが、だれもが気づくころには一万円で一グラムしか交換できないかもしれない。
日本人はこの三十年間というもの、金に投資してこなかった。
銀行がつぶれ、生保がつぶれ、信組がなくなっていく。
この四月から信組への検査、監督権が都道府県から国に移る。
約二二一〇の信組もこれで二〇〇くらい整理、淘汰されるのではないだろうか。
このとき、日本人は資産をどこに持っていくか。
一パーセントの資産を動かしただけでも金価格は一グラム一万円を抜いていく。
向こう二年~五年の間に日本ではゴールドラッシュのように金を買うラッシュが始まる。
普通の人は、現在の常識しか見ていない。
しかし、もし税制改革や金融制度の変更が行われた場合、思わぬ資金潮流が変化する。
投資商品の主役交代それこそ、「まさか」が発生するタイミングである。
日本人の傾向として、上がればさらに輪をかけて上げる。
下がればよりいっそう下げる。
どちらにしても、極端から極端に振れるのが日本人の性癖である。
金は一方的にラッシュのように買いまくって膨れ上がらせることになるだろう。
四年以内に金価格一オンスは一六〇〇~二〇〇〇ドルになる本章の最後に、次代の金融商品として金が有望である理由を整理しておこう。
①アメリカのロングウェーブにおける安定期はほぼ終わりに近づいている。
その後に生じるデフレと不況の局面は、金鉱株と金の購入には最良の時期である。
②金融、経済、政治などでの不安が増している間は金価格は良好な動きとなる。
世界は金融と経済において、七〇年代よりもさらに不確実な未来と直面している。
そしてロングウェーブ分析における不況はいまにも起こりそうである。
③米ドルは通貨システムが持つそれ自身の正当性、さらには世界基軸通貨としてその将来性が危ぶまれている。
④米ドル崩壊により世界通貨システムは脅威にさらされる。
以前も二度同じことが発生したが、その通貨システムは崩壊している。
⑤米ドル・ペーパーマネーが悲観的であれば、対極に位置する金の見通しは明るい。
⑥金は世界において他者の負債に影響されない唯一の金融資産である。
たとえば、米ドルはアメリカの債務になる。
金融システムの混乱から身を守るための歴史的隠れ家なのである。
この四千年の歴史が金が通貨の最終手段であることを裏付けている。
⑦この数年、東南アジアで猛威をふるったデフレは世界に影響すると予測される。
デフレは金融の混乱と銀行破綻に象徴される。
このとき、金は通貨的役割を果たす。
インフレ発生による金価格上昇時よりデフレ時における金の役割は重大である。
⑧ダウ・ジョーンズと逆相関関係にある金は、過去百年以上、最安値を推移している。
安いものを購入して高く売ることは投資の鉄別である。
⑨金の保有、金鉱株のシェアを所有することによって、資産を現存の金融システムから守る。
銀行倒産とは不良債権の増大である。
つまり、ペーパーマネーの信用が崩れることである。
⑩現在、多大の金空売りが相当量ある。
約二万トン相当と見込まれているが、この量は世界産金量の六年分に値する。
大金山会社の先物市場でのヘツジ売り。
ゴールドマンサックスなど、投資銀行のゴールドキャリーによる資金調達の金売り。
これら空売りの買い戻しが金価格の投資商品の主役交代急騰を引き起こすであろう。
⑪ロングウェーブ・チャートにおける金のテクニカル指標は「買い」を示している。
これはこの数年間で初めての予兆であり、この金上昇相場は五年十年くらい続くことは間違いない。
⑫金に対する投資需要が増大している。
とくにミレニアムで金貨の販売数は伸びており、アメリカにおいて個人が購入する量は記録的なものとなっている。
このデフレの時代に、通貨として金の果たす役割を知らないアナリスト、エコノミストが想像以上に少なくないことに、わたしは驚きというか、ほとんど失望感を覚えざるを得ない。
日本でも定評があるとされている某著名エコノミストでさえ、「商品価格の落ち込みから金を所有する理由は見当たらない」と発言していた。

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